古事記と日本書紀は、どちらも日本歴史書です。 古事記が成立したのは712年、日本書紀は720年で共に奈良時代(710年~794年)の書物で、今から1300年前に書かれました。
古事記は国内向けに天皇の正統性を訴えるもの、日本書紀は外国向けに日本という国の正統性を主張するものという違いがあります。
『古事記』
読み方は「こじき」または「ふることふみ」です。日本最古の歴史書とされ上・中・下の全三巻からなります。
712年に天武天皇の命により太安万侶(おおのやすまろ)が稗田阿礼(ひえだのあれ)という語り部の言葉を書き記し、編纂され元明天皇に献上されました。
内容は、日本神話が多く取り入れられており、上巻では神代(かみよ)・中巻・下巻では初代神武天皇から推古天皇までの歴代天皇の業績が神話や伝説を含みながら変体漢文の紀伝体で記載されています。
古事記は、神話や伝説が多いため、信憑性が低く、量も少ない為にあまり重要視されず研究も進んでいませんでしたが、江戸時代に入り評価され研究が進み本居宣長によって全44巻の「古事記伝」が書かれました。古事記伝は、古事記研究の古典で、後世に大きな影響を与えています。
『日本書紀』
日本書紀は全30巻で天皇家の系図が付属しており、720年に天武天皇の命によって舎人親王(とねりしんのう)と他、数人で書かれました。日本書紀は編年体で当時の唐や朝鮮半島へ向けて漢文で書かれています。
「日本」という言葉は日本書紀で初めて登場しました。日本書紀は、文字として国家の歴史を残すことで大和朝廷の権威付けを行い、日本という国の正統性を訴える目的があったといわれています。
1300年も前に書かれた日本の歴史書である古事記や日本書紀は漢文で書かれており難しいイメージがありますが、現代文やラノベ風、また漫画で描かれたものが数多くあります。難しく考えすぎず、日本の歴史を学ぶという素直な気持ちで接し、先ずは楽しむ事が大切だと思います。