熊本県熊本市黒髪(くろかみ)にある「神風連資料館」は、明治9年(1876年)に熊本で起こった「神風連の変」で敗れた志士たちの霊が眠る桜山神社の境内にあります。
「神風連」は、熊本市内田町にある新開大神宮(しんかいだいじんぐう)の宮司・太田黒伴雄(おおたぐろともお)を首領とする志士の集まりで、神道と尊皇を重んじ、自らを「敬神党(けいしんとう)」と呼んでいました。彼らは、明治維新後急速に欧米化する政府と、日本古来の伝統や文化の崩壊を憂慮し、攘夷論者を取り締まるために置かれた鎮台(ちんだい)の一つ、熊本鎮台を襲撃しました。
それが「神風連の乱」と呼ばれる事件です。
太田黒伴雄以下決起した170名が熊本鎮台を襲撃しますが、120余名が討死、または自決して果てます。神風連資料館には、信仰を重んじ、王政復古による日本古来の神道に基づいた政治を目指そうとした「神風連」の重要な資料や貴重な遺品が展示されています。