17条憲法は、推古天皇12年(604年)に聖徳太子(厩戸皇子)が作ったとされる、17条からなる法文です。
17条の憲法は、今の憲法とはちょっと違い、役人が守るべき決まりごとを定めた憲法です。
17条というくらいだから17の項目から出来ています。
🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹
(1)和(わ)を以(も)って貴(とおと)しとなし・・・
(和とは平和の和。つまり、簡単にいえば、みんな仲良くしろよって事)
(2)篤(あつ)く三宝(さんぼう)を敬(うやま)え・・・
(三宝とは仏・法・僧のこと。仏様、またその教えやお坊さんを大切にしなさいってこと)
(3)詔(みことのり)を承(う)けては必ず謹(つつし)め・・・
(詔というのは、天皇からの命令のこと。天皇の命令は絶対従うようにしなさい)
(4)群卿百寮(ぐんけいひゃくりょう)、礼をもって本(もと)とせよ・・・
(群卿百寮は、天皇に仕える役人の人、その人たちは礼の精神を持ちなさい)
(5)餮(あじわいのむさぼり)を絶ち、欲(たからのほしみ)を棄(す)てて、明らかに訴訟(うったえ)を弁(わきま)えよ・・・
(饗とは、お酒やおいしい食べ物のこと。これらやお金や物の物欲を棄てて、訴訟を厳正にしなさい。賄賂とかに惑わされちゃダメよってこと)
(6)悪を懲(こら)し善を勧(すす)むるは、古(いにしえ)の良き典(のり)なり・・・
(悪を懲らしめ、善を勧めるのは、昔からの良い風習。)
(7)人各(おのおの)任有り。掌(つかさど)ること宜(よろ)しく濫(みだ)れざるべし・・・
(人には、それぞれ任務がある。その任務をやるには忠実に全うし、権限を乱用してはダメだ)
(8)群卿百寮、早く朝(まい)りて晏(おそ)く退け・・・
(役人は朝早くに出社して、夜遅くまで仕事しなさい)
(9)信はこれ義の本(もと)なり。事毎(ことごと)に信あれ・・・
(信とは、誠実、信用、真心みないなもの。これは人の道の根本である。何事にも、この信が無ければいけない。)
(10)忿(こころのいかり)を絶ち瞋(おもてのいかり)を棄(す)て、人の違(たが)うを怒らざれ・・・
(心の中の怒りをなくし、表情に怒りを見せず、人が自分と違ったことをしてもあんまり怒らないように)
(11)功過(こうか)を明らかに察して、賞罰必ず当てよ・・・
(功過とは、手柄や過ちのこと。これを明らかにして、それに見合う賞罰をあてがうように)
(12)国司(こくし)国造(こくぞう)、百姓(ひゃくせい)に斂(おさ)めとることなかれ・・・
(国司や国造は、人民から勝手に税金をとるな)
(13)諸(もろもろ)の官に任ずる者同じく職掌(しょくしょう)を知れ・・・
(役人たちは、同僚達がやっている仕事もちゃんと理解しておくように。)
(14)群臣百寮、嫉妬(しっと)あることなかれ・・・
(役人は嫉妬なんてしちゃダメよ。)
(15)私に背(そむ)きて公(おおやけ)に向うは、これ臣の道なり・・・
(自分の欲望などを棄てて、公務に向かうのが役人の道である)
(16)民を使うに時をもってするは、古(いにしえ)の良き典(のり)なり
(国民に何かを課すときは、時期をよく考慮するように。これは昔からのよい教えです)
(17)それ事(こと)は独(ひと)り断(さだ)むべからず。必ず衆とともによろしく論(あげ
つら)うべし
(重要なことは、1人で判断しないように、必ず皆で話し合って決めましょう)